columnひとみの本棚

おだやかな陽ざしの中、元気に飛び戻ってくるミツバチの羽音を巣箱のそばで聞いたことがありますか? ミツバチやその他のハナバチ類は、日本はもとより世界の多様な自然の中で、その環境を保全し、人々の暮らしを豊かにする働きを担っています。
「Harmony on Diversities」いろいろな植物と動物が、本来のいき方をつづけ、豊かに持続的に、響きあいながら命をつないでいける環境。ミツバチもそんな環境を求めています。ヒトとの関わりがどの昆虫よりも長く多様な、ミツバチとその養蜂について考えてみましょう。

榎本ひとみ
アジア養蜂研究協会(AAA)設立時より21年間事務局コーディネーターを務め、アジア各国(オセアニア、中東を含む)で1994年より隔年開催された大会の準備などで、各国関係者と交流、多様な養蜂事情を学んだ。現在は役員。またAAA会報「Bees for Development Journal」や玉川大学ミツバチ科学研究センター発行の季刊誌「ミツバチ科学」などを通じて、欧米の関係組織とも交流、国際養蜂協会連合(APIMOMDIA)国際養蜂会議に数回出展、参加した。

12月25日, 2022年

ドロシー・ホッジスと国際ミツバチ研究協会のクリスマスカード 

国際ミツバチ研究協会(IBRA イブラ)販売の素敵なミツバチクリスマスカードをご紹介します.制作者はイギリスのドロシー・ホッジス(1898-1979).

彼女は水彩画,パステル画を描く才能ある画家でした.第2次世界大戦中にミツバチを飼い始め,すぐに蜂たちが花から集めて持ち帰る多彩な花粉荷の色合いに魅了されました.

ホッジスは植物名とその花粉の微妙な色合いを描き,そこから大変よく知られた彼女の著書「The pollen loads of the honey bee / ミツバチの花粉荷」がまとめられて,戦後の1952年にIBRAより発行されました.

これは自分の飼う蜂がどんな花を訪れるのか知りたいと思う養蜂家に,花粉分析の手がかりとして絶好の参考書でした.長年にわたり版を重ね,今日でもその価値を失っていないのです.