columnひとみの本棚

おだやかな陽ざしの中、元気に飛び戻ってくるミツバチの羽音を巣箱のそばで聞いたことがありますか? ミツバチやその他のハナバチ類は、日本はもとより世界の多様な自然の中で、その環境を保全し、人々の暮らしを豊かにする働きを担っています。
「Harmony on Diversities」いろいろな植物と動物が、本来のいき方をつづけ、豊かに持続的に、響きあいながら命をつないでいける環境。ミツバチもそんな環境を求めています。ヒトとの関わりがどの昆虫よりも長く多様な、ミツバチとその養蜂について考えてみましょう。

榎本ひとみ
アジア養蜂研究協会(AAA)設立時より21年間事務局コーディネーターを務め、アジア各国(オセアニア、中東を含む)で1994年より隔年開催された大会の準備などで、各国関係者と交流、多様な養蜂事情を学んだ。現在は役員。またAAA会報「Bees for Development Journal」や玉川大学ミツバチ科学研究センター発行の季刊誌「ミツバチ科学」などを通じて、欧米の関係組織とも交流、国際養蜂協会連合(APIMOMDIA)国際養蜂会議に数回出展、参加した。

12月26日, 2019年

クリスマスの前の晩に

 クリスマスの前の晩に,蜂場の巣箱をみつめて,蜂夫は大いに気をもんでいた TWAS the Night BEEfore CHRISTMAS
「うちの蜂は元気にしているかな?」養蜂家が冬越し準備ですべきことは,全部やった.蜂に給餌し,巣箱をくるみ,シュガーキャンディーもいれた.
素晴らしかった夏の日々を思い出す.蜂たちは一丸となって働いていた,それぞれの蜂が自分のつとめを果たして.

CATCH THE BUZZ – ‘Twas the Night BEEfore Christmas

 あの女王蜂が ヤスのように熱い,無数の針の間を通り抜け,はじめて高く飛び上がった勇姿を,誇りを持って彼は見守った.

 心地よい寝床で眠りについたとき,混じりけなしのハチミツの夢をみた.
 女王蜂と彼女の働き蜂は,養蜂家を失望させたりしなかった.60ポンドのハチミツ,こはく色の黄金がしたたり落ちた.
 でもハチミツはあっという間に消え失せた.「もっと,もっと」と,皆はせがむ.「クリスマスにハチミツがほしいのよ,素晴らしく甘いプレゼント,これ以上のものはないでしょう?」
 新雪の上に,さらなる冬の寒さが覆い尽くすころ,女王蜂を囲む働き蜂の群れは,巣箱の中でぎゅうっと寄り集まっていること,知らないかね?
 できることは,すべてやってあると納得し,靴に着いた雪をはたき落として,養蜂家は寒い外から戻ってきた.
 なんたる喜びだろう,彼は声を上げた.「さあ,みんな! ごちそうだ.あなたによい年が来ますように! May your Season BEE Bright”」

 北米で有名な英詩『クリスマスの前の晩』 “‘Twas the Night Before Christmas” のJoan Riise による翻案