columnひとみの本棚

おだやかな陽ざしの中、元気に飛び戻ってくるミツバチの羽音を巣箱のそばで聞いたことがありますか? ミツバチやその他のハナバチ類は、日本はもとより世界の多様な自然の中で、その環境を保全し、人々の暮らしを豊かにする働きを担っています。
「Harmony on Diversities」いろいろな植物と動物が、本来のいき方をつづけ、豊かに持続的に、響きあいながら命をつないでいける環境。ミツバチもそんな環境を求めています。ヒトとの関わりがどの昆虫よりも長く多様な、ミツバチとその養蜂について考えてみましょう。

榎本ひとみ
アジア養蜂研究協会(AAA)設立時より21年間事務局コーディネーターを務め、アジア各国(オセアニア、中東を含む)で1994年より隔年開催された大会の準備などで、各国関係者と交流、多様な養蜂事情を学んだ。現在は役員。またAAA会報「Bees for Development Journal」や玉川大学ミツバチ科学研究センター発行の季刊誌「ミツバチ科学」などを通じて、欧米の関係組織とも交流、国際養蜂協会連合(APIMOMDIA)国際養蜂会議に数回出展、参加した。

4月02日, 2020年

米国農務省ミツバチ研究部門長からの依頼

 有力養蜂雑誌Bee Culture から Eメールでほぼ毎日とどくCatch the buzz は学術研究からイベント,業界の話題など新しく多彩な情報の源です.
 COVID-19 対策で,担当者が今日(3月23日)から自宅で発信となり,前代未聞の事態で不安と嘆く一方,米国政府ミツバチ研究部門のトップから不足するマスクを養蜂家から提供してほしいとの真摯な依頼も伝えています.

養蜂家からN95マスクの寄贈をお願いします.

親愛なる皆さん,
 米国農務省農業研究サービスミツバチ研究部門のエレイン・アクストは私の仕事仲間ですが,彼女から時を得た提案を受けました.それはCOVID-19 対策の最前線で戦う医療従事者の方々を私たちが支援できる素晴らしい方法です.
 養蜂家は近年ミツバチのヘギイタダニ防除対策のひとつとして,シュウ酸を用いており,その際に強酸であるシュウ酸との接触防止にN95規格のマスクを使う.だから多くの養蜂家がこのマスクの予備を持っているのではないだろうかと,エレインは気づいたのです.
 皆様の養蜂用備品の中に,未使用のN95規格のマスクとフィルターが余分にあるなら,是非是非,それらを包装された状態のまま,お住まい地域の医療センター,病院,または消防署/救急センターに寄贈して下さい.
 自宅の棚に保管しているマスクを提供してくれるよう住民に働きかける,同様の支援活動がシアトルですでに行われ,大変有効でした.
 このメッセージをフェイスブックやあなたの顧客リストにも拡散して下さい.
 どうぞよろしく,そして感染せぬよう注意してすごして. 

ジェイ・エバンス
米国農務省 農業研究サービス ミツバチ研究部門 部門長
ベルツビル,メリーランド 20705 USA

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 外出制限が厳しいイギリスからは,政府担当部門のHPに養蜂家への行動指針が掲載されているとの報せが届きました.その内容は,他の人と2mの距離を蜂場での作業中や,分蜂群回収作業中でも必ず保つように,など大変具体的です.
 日本ではなにかそういう対策や指針が,養蜂家へ速やかに伝えられているのでしょうか.