BEE BREEDING

女王蜂の生産拡大

蜜蜂はハチミツを採るためだけでなく、農業に必要な植物の受粉という大きな役割も持っています。世界的にミツバチが減少傾向にあり、蜂不足によって農産物の生産量に大きく影響を及ぼしています。

アピモンドでは蜂の飼育数を増やすことで、蜂蜜の収穫量を増やす一方、受粉を目的とした蜂のリース事業にも力を入れていきます。

蜂群には女王蜂が1匹いて常に産卵し、働蜂や雄蜂が生まれてきます。産卵直後の卵を王椀と呼ばれる飼育器に移すことにより人工的に女王蜂を生産することができます。この移虫という方法による女王蜂の生産技術を向上させ、効率よく女王蜂を生産します。また、新しく生まれた女王蜂は成熟後に交尾のための飛行を行い、数匹の雄蜂と交尾を行います。この1度の交尾飛行で、2~3年の間、毎日1000個ほど産卵します。しかし、交尾飛行の際に、鳥やトンボなどの天敵に襲われることがあり、せっかく生産した女王蜂が戻ってこないということがあります。

アピモンドではこうした女王蜂の損失を減らすとともに、病気などに強い群を育成するために、器具による人工授精を行っています。

器具による人工授精の取り組み

アピモンドでは蜂の生産拡大を図るため、生産した女王蜂を確実に授精して産卵させるため、欧米では一般的に行われている「女王蜂に対する器具を使った人工授精」にも積極的に取り組んでおり、2020年には、民間として日本で初めて成功しました

これまで日本国内における「器具による人工授精」は、大学の研究機関などで行われていましたが、民間で、器具による人工授精を行い産卵から蜂群の形成までを成功させることができたのはアピモンドが日本で初めてとなります。

スーザン・コービー氏の「器具による人工授精」技術

蜜蜂の繁殖と女王蜂の「器具による人工授精」についての世界的な権威であるスーザン・コービー氏の教育プログラムは世界標準として認められており、世界中の研究者や養蜂家から注目されています。「器具による人工授精」により蜂群の活力や病気に対する耐性・抵抗力を高めるために非常に有効な手段です。機器の操作技術のみでなく、交配すべき蜂の選び方などのノウハウは同氏が長年にわたり研究を続け確立したものです。

私たちは2019年に日本で初めての同氏のもとに関係者を派遣し、「器具による人工授精」に関する知識および技術の習得を行うとともに、人工授精のための機器を導入しました。

2020年より自社の研究施設において、同氏の協力を得ながら蜜蜂の「器具による人工授精」の研究を行っています。

将来的には同氏と協力して人工授精の技術を普及させ、技術者育成の教育研修プログラムを実施することも計画しています。