columnひとみの本棚

おだやかな陽ざしの中、元気に飛び戻ってくるミツバチの羽音を巣箱のそばで聞いたことがありますか? ミツバチやその他のハナバチ類は、日本はもとより世界の多様な自然の中で、その環境を保全し、人々の暮らしを豊かにする働きを担っています。
「Harmony on Diversities」いろいろな植物と動物が、本来のいき方をつづけ、豊かに持続的に、響きあいながら命をつないでいける環境。ミツバチもそんな環境を求めています。ヒトとの関わりがどの昆虫よりも長く多様な、ミツバチとその養蜂について考えてみましょう。

榎本ひとみ
アジア養蜂研究協会(AAA)設立時より21年間事務局コーディネーターを務め、アジア各国(オセアニア、中東を含む)で1994年より隔年開催された大会の準備などで、各国関係者と交流、多様な養蜂事情を学んだ。現在は役員。またAAA会報「Bees for Development Journal」や玉川大学ミツバチ科学研究センター発行の季刊誌「ミツバチ科学」などを通じて、欧米の関係組織とも交流、国際養蜂協会連合(APIMOMDIA)国際養蜂会議に数回出展、参加した。

3月29日, 2022年

第47回国際養蜂会議 ロシアでの開催をやめに

ウクライナカラーに塗られた巣箱

2022年3月7日にアピモンディア(国際養蜂協会連合)の執行役員会は投票の結果全会一致で,ロシア,バシコルトスタン共和国ウファで今年9月に予定されていた第47回国際養蜂会議の開催キャンセルを決定しました.ウクライナへのロシア侵攻を非難しての対応で,ジェフ・ペティス会長名の手紙が関係者に広くメールで送られました.

大会長のTetyana Vasylkivska(中央)とGilles Ratia 国際養蜂協会連合会長(当時)

2013年,キーウ(キエフ)で第43回国際養蜂会議を主催したウクライナの養蜂家団体(代表Tetyana Vasylkivska)は,ロシアでの開催中止を求めており,私の元へもそのメッセージが届いていました.アピモンディア執行部は,各国から寄せられる多くの声に耳を傾けて,今回の決定に至ったとしています.

多数の巣箱がならぶ養蜂博物館入り口

ここでご紹介する写真はアピモンディア2013に日本から参加した養蜂家の方々にご提供いただきました.

古いスケップ各種

 

 

 

 

キーウ(キエフ)には緑濃い恵まれた環境の中に立派な養蜂博物館があり,様々な巣箱や蜂具を見学できたそうです.

ウクライナ 夢の蜂場風景(油絵)

首都で,ウクライナ各地で,ミツバチが楽しげに訪花するはずの土地がどうなっているのか,養蜂に携わる人々はどうされているのか,案じられます.

養蜂家が見慣れぬ道具を説明してくれた

またこの決定の時点では,「来年2023年にチリのサンチャゴで予定されている第48回国際養蜂会議に世界中の養蜂家と研究者が一堂に会することを期待します.その前に何かシンポジウムを開催するかもしれないので,国際養蜂協会連合のウェブサイトをチェックしてください」とありました.ところが,数日後に届いた次の知らせでは:

第47回国際養蜂会議 アピモンディア2022 は開催国と日時を変更し,2022年8月24日(水)-8月28日(日)にトルコのイスタンブールで開かれます,とのこと.これは正式決定で,国際養蜂協会連合(アピモンディア)のサイトにも情報がアップされました. https://www.apimondia.org/