columnひとみの本棚

おだやかな陽ざしの中、元気に飛び戻ってくるミツバチの羽音を巣箱のそばで聞いたことがありますか? ミツバチやその他のハナバチ類は、日本はもとより世界の多様な自然の中で、その環境を保全し、人々の暮らしを豊かにする働きを担っています。
「Harmony on Diversities」いろいろな植物と動物が、本来のいき方をつづけ、豊かに持続的に、響きあいながら命をつないでいける環境。ミツバチもそんな環境を求めています。ヒトとの関わりがどの昆虫よりも長く多様な、ミツバチとその養蜂について考えてみましょう。

榎本ひとみ
アジア養蜂研究協会(AAA)設立時より21年間事務局コーディネーターを務め、アジア各国(オセアニア、中東を含む)で1994年より隔年開催された大会の準備などで、各国関係者と交流、多様な養蜂事情を学んだ。現在は役員。またAAA会報「Bees for Development Journal」や玉川大学ミツバチ科学研究センター発行の季刊誌「ミツバチ科学」などを通じて、欧米の関係組織とも交流、国際養蜂協会連合(APIMOMDIA)国際養蜂会議に数回出展、参加した。

3月22日, 2021年

今,アメリカでもっとも好まれる甘味料はハチミツです その2

 2020年にナショナルハニーボード(NHB)は需要喚起の方策として,ハチミツがたどるユニークな道筋の紹介に力を入れました.ハチミツが自然の中で造られること,ミツバチは私たちの地球の生態を維持し,私たちに必要な食糧を生産するのに不可欠な役割をもつこと.養蜂家はミツバチと大地とを守るための世話役であること.

この物語を伝え理解を深めるために養蜂をたたえるビデオ作品が制作されました.

「アメリカ人は波乱の2020年にハチミツへの指向を強めました.消費者は家にとどまり,自宅で調理する機会がふえたため,健康維持のために,明快で栄養価が高い成分を求めたのです.これほどハチミツの人気が高まったことはないでしょう.実際,甘味料嗜好調査でハチミツがNo.1 になったのは今回が初めてです.ハチミツ流通経路に携わるすべての勤勉な人々にお礼を申します.とりわけ養蜂現場で働く皆様が,この困難な年にも必要な量のハチミツを供給しつづけて下さったことに,心から感謝いたします.」とNHB委員長マーガレット・ロンバードは活動報告ビデオで述べています.

全国ハチミツ月間である9月に新たに全国ブランド各社とネットのインフルエンサーによる「ハチミツは巣箱を守る」キャンペーンを実施,このイベントで集められた$75,000以上の募金は,大切なポリネーター達の健康を守る学術研究をすすめる プロジェクト・アピス m.などとの提携研究に使われるとのことでした.

NHBは他にも学術研究への支援を続けており,2020年には10件の研究に約百万ドルを投じました.消費者の認識と理解促進のための教育,新製品の紹介,メニュー追跡とトレンド把握,ミツバチの健康,継続中の栄養研究,などから多くの知見を得て,委員会はそれらを会員企業と共有し,ハチミツ業界の成功をめざすパワーとしていくそうです.
ビデオは https://www.youtube.com/watch?v=-8viraBAa88

NHBのウェブサイトは https://honey.com/
このサイトにある LOCATOR  は全米各地でどんなハチミツが生産されているか,教えてくれるなかなか興味深いページですよ.