米国の商業養蜂家が所有する何十万箱もの蜂群が,カリフォルニアのアーモンド農園で花粉媒介をするために,毎年全米から長距離移動していきます.
2017年1月から2018年1月までの期間にカリフォルニア州への蜂群移動データをまとめた,わかりやすい図が米国農務省ERSから2021年に公表されました.
暖かなカリフォルニアでの蜂群越冬が早春のアーモンド開花に向けて有利と考えられていた時期の動きです.現在は冬は寒く,完全に産卵と育児を休むほうが,有効なダニ対策になるとの考えがあり,蜂群の移動時期に変化が出ているはずです.
カリフォルニア産アーモンドはその生産量が飛躍的に拡大した.今やハイキング用行動食やグルテンフリーのケーキにも使われ,ごく身近な食品と言えよう.
2021年に米国のアーモンド総生産価格は50億米ドルを越えたが,そのすべてがカリフォルニアで商業生産されている.
アーモンドの結実は昆虫による花粉媒介に大きく依存し,作物生産量を確保するために,開花に合わせてアーモンド農園に大量動員が可能なミツバチが広く利用されている.