先月ご紹介した全米からカリフォルニア州への蜂群移動(2017年1月から2018年1月)の図で,最大の矢印は北部グレートプレーンズ地域から出発していました.
その代表がノースダコタ州で,ミツバチヘギイタダニ対策として蜂群を越冬期間中に冷蔵する試みが始まったとき,真っ先に大規模な冷蔵施設が作られたと紹介されたのがこの厳寒の地でした.日本の飼養蜂群総数(H29年)は21万3千群,その約1.8倍の蜂群がグレートプレーンズ地域から加州に移動!
貴重な蜂群移動図をよく理解するためにも,膨大な蜂群を擁するノースダコタについてもっと知りたくなりました.
ノースダコタ州とは
地理:ノースダコタ州の形状は東西に長い長方形(台形)であり,東西545km,南北340kmに亘ってほぼ平坦な土地が広がる.面積は18万3000平方km,日本の国土の約1/2である.2018年現在,総人口は約75万人で,全米で3番目に少ない人口.人口密度の低さが想像される.
東の州境となっているミズーリ川は全長4076km,ロッキー山脈に発し,セントルイスでミシシッピ川に合流する。ミズーリ川を源流とするミシシッピ川は延長6019km,北米最長の河川である.ミズーリ川の流路のうち、約1/7がノースダコタ州を経由する.
歴史:州の名前はアメリカ合衆国北部中西部に先住したスー族中の最大部族,ダコタ族から取られた.今日もインディアンを先祖に持つ人が5%以上いるとされ,ノースダコタ州にはインディアンの文化が色濃く残る.
州民の90%以上は白人で,その半数はドイツ系かノルウェー系.1800年代後半には東海岸から鉄道が開通し,多くのヨーロッパ系開拓者がやってきた.ほとんどのドイツ系移民は州都のビスマークを起点に農業を開始.当時,21歳以上で5年以上同じ場所で農業を営む人には国から無償で土地が払い下げられる「ホームステッド法」があったため,多くの入植者は寒い土地でも育つデュラム小麦などを栽培し,土地も手に入れて自作農となった.
左の広報誌の表紙に登場したお嬢さんも北欧系にみえますね.それにしても真っ平らなヒマワリ畑のなんと広大なことでしょう.