columnひとみの本棚

おだやかな陽ざしの中、元気に飛び戻ってくるミツバチの羽音を巣箱のそばで聞いたことがありますか? ミツバチやその他のハナバチ類は、日本はもとより世界の多様な自然の中で、その環境を保全し、人々の暮らしを豊かにする働きを担っています。
「Harmony on Diversities」いろいろな植物と動物が、本来のいき方をつづけ、豊かに持続的に、響きあいながら命をつないでいける環境。ミツバチもそんな環境を求めています。ヒトとの関わりがどの昆虫よりも長く多様な、ミツバチとその養蜂について考えてみましょう。

榎本ひとみ
アジア養蜂研究協会(AAA)設立時より21年間事務局コーディネーターを務め、アジア各国(オセアニア、中東を含む)で1994年より隔年開催された大会の準備などで、各国関係者と交流、多様な養蜂事情を学んだ。現在は役員。またAAA会報「Bees for Development Journal」や玉川大学ミツバチ科学研究センター発行の季刊誌「ミツバチ科学」などを通じて、欧米の関係組織とも交流、国際養蜂協会連合(APIMOMDIA)国際養蜂会議に数回出展、参加した。

3月29日, 2022年

Apimondia 2022 大会案内 要約  その2

コロナ対策入国規制

Istanbul Congress Center 

現在トルコはシノバク(中国製)とスプートニクV(ロシア製)を含むすべてのワクチンを認可.外国からの旅行者に特定タイプのCOVID-19ワクチン接種を求めてはいない.

トルコ入国の14日以上前までに接種完了していれば入国できる.

以下の規則の最低1つを満たしていれば入国を認め,また検疫隔離から除外する.

○ WHOが緊急時利用に認めたワクチンを最低2回接種している,またはトルコの規定(Johnson & Johnson製を1回接種)を済ませ,最近の接種が14日以上前であることを明示する書類を提出する旅客

○ 旅客がこの6ヶ月以内にコロナウイルス陽性であったことを証明する自国の関係当局発行の書類を提出するとき

○ トルコ入国前72時間以内に受けたPCR検査で陰性だった,あるいは48時間以内に受けた迅速抗原検査で陰性だったとき

大会ウェブサイトではもう参加登録と発表申込みの要旨受付がスタートしています.https://apimondia2021.com/ (このアドレスは誤記ではありません)

信じられない早業のようですが,これにはもっともな訳があります.ロシア・バシコルトスタン共和国ウファでの開催準備としてアップされたウェブサイト(アドレス上記)は,トルコのイベント運営会社がもともと請け負っていました.当初は昨年に開催予定でしたのでアドレスに2021の文字がありますが,コロナウイルスの蔓延で,開催が翌年に順延されたときも,大会ウェブサイトのアドレスは2021のままでした.そしてこのトルコの会社がこのたびのイスタンブールへの変更後もこれまでに作られたサイトの枠組みを最大限そのまま使って,開催準備にあたります.

養蜂大国トルコでは毎年養蜂関連の多様な国際会議が国内各地で催されています.イスタンブールでは第45回会議がApimondia 2017として開かれたばかり.そのときと同じ会場イスタンブールコングレスセンター(ICC)をこの夏の第47回でも使います.多くの国際養蜂協会連合関係者がすでに知っている会場ということは,今回の急な変更にかなり強みになりますね.

キーウ(キエフ)市街を望む

ハチミツ以外のミツバチ生産物も勢揃いしたキーウ(キエフ)大会の出店

英国のナショナルハニーショウは養蜂家にウクライナへの募金呼びかけました.養蜂器具屋さんのメールで共有され私も知ることができました.現在はウクライナへの一括寄付として送らざるを得ないのだが,侵攻がやみ状況が落ち着いてきたらウクライナの養蜂支援を目標にした募金を改めて呼びかけるので,そのときもよろしく,と.

気持ちは皆同じでしょう.破壊が止み,平和が一刻も早く戻りますように.